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…いやはや。
長い、長い戦いだった。
小麦色の少女が、今か今かと俺の閉ざされた"あの秘密の扉"を絶えずノックし続けていたのだから…
だが、それも今。
やっと解放された。
彼女はそう。
渦巻く広大な泉から、細く長い帰路を経て、正に今この瞬間に!
大海原へと旅立ったのだから!!
《 ッガコ。ッジャーアア…。 》
( ふぅ…。サラバ、愛しき小麦色の"う○子"よ。 )
…と。
その刹那。
《 ッドッカーンッッッ!!!!! 》
突然の破壊音と共に、目の前の扉がその形を留める事無く只の木片と化すと、俺の目の前には突如恐ろしい程の邪気を纏った"鬼"が、物凄い形相で現れた!
「 「幸せになってね♪」じゃねーぞバカヤローッ!! 」
その響き渡る怒鳴り声と共に、僅か23.5㎝の足形が俺の頬に刻まれた。
「 あべしッ!? 」
この時。見事にひしゃげた顔面も余所に、俺は心の中でこう叫んだんだ…
( "そこ"までは言って
ネェから~ッッッ!!! )
そして。薄れる意識と静かに閉じゆく視界の中で、俺は確かに聞いたんだ…
「 お前はもう… 死んでいる! 」
… … … …
… … … …
… パ …パクりじゃねぇ~かよ。
… … 完。
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