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レナードが袋に手を入れて中の物をつかみ出すと金貨が出てきた。
「毎月数枚ずつ入れておりましたから金板と替えたほうが良かったでしょうか?」
「イヤ、これは受け取れないよ。
君のおかげで随分助かったんだから。」
「そうよ マリー、貴方は充分頑張ったわ。
何も引け目に感じることは無いわよ、私達がしなければいけないことも全て貴方がしてくれたわ。
私よりも細やかにね?」
「だから これは受け取れないよ。」
「ですが、お食事とか随分御世話になりました。
私の馬や馬車の御世話もまだお願いしたままです。」
「そうだ!
じゃあね 一旦頂くとしよう、これはリチャードの屋敷を造って貰った分だよ。」
「あなた、賢いわ。
マリー このお金を貰ったら、私達も払わなければいけなくなるのよ。」
「………はい、わかりました。
私の屋敷で御座いますが支店の後ろで、昔は幽霊屋敷と呼ばれていた所に御座います。」
「あの御屋敷はマリーのだったの?」
「はい ずっと幻覚をかけておりましたが先日解きました。」
「あら?見えていたわよ。」
「ペンダントで御座います。」
そうか と納得するレナード夫婦だった。
「父上達は知っていたのかな?」
「はい まだお元気な頃に案内致しました、伯父様方も是非お越し下さいませ。
ただ 支店と同じ時に造りましたのでそれなりでしか御座いませんが。」
「是非見学させてもらうよ、楽しみだな。」
「はい お待ち致しております。
使用人はおりませんので大したことはできませんが。」
「今日はお疲れ様、済まないなケリーの為に時間を取ってしまって、私は城に帰るよ。」
レナードは城へと戻り
「伯母様 今からお越しになられますか?」
「そうね、一番最初が私で良いかしら?」
「勿論で御座います。」
執事に挨拶をして二人でマリオンの屋敷に転移した。
「近くで見ると可愛い屋敷ね。」
「私とふうちゃん達が住むことが出来れば良いので、これでも大き過ぎるのですが少し体裁を考えました。」
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