自立

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話ながら3階に上がると、 「此処がプライベートルームで御座います。 1部屋しか御座いませんが。」 「まあ 此処は?」 「私達の部屋で御座います、ふうちゃんやジンちゃんが元々の大きさで居られる様にと思いまして。」 「そんなに大きいの?」 「私の背とふうちゃんのお顔が同じ位かと思います。」 「それでこの広さなのね。」 二人はリビングへと戻り、お茶を飲みながら暫く話しをした。 「マリーはもうあの屋敷には住まないの?」 「はい、長い間御世話になりました、馬はご好意で管理して下さるそうですのでお願い致しましたが。」 「どうせ誰も住まないのだから出なくても良かったのに。」 「有り難う御座います、けれども 自立を目指しておりましたし、皆様の大切な御実家に私が何時までも居るわけには参りません。」 「そんなこと気にしなくても良いのに。 だけどマリーも侯爵だから そうよね、自分の屋敷は必要ね。 お食事とかは大丈夫?」 「はい、上手では御座いませんが食べる位は出来ております、お買い物も家にいた頃になれましたので。」 「何かあったらすぐに言ってね。」 「はい 有り難う御座います。」 エリカを自宅に送った後はラボに入り少なくなった在庫を増やし始めた。 夏の休暇になればルシフェル達の処に行く事にしておりその間の分も作り貯めていたかったのだ。 始めての看護学園の卒業式が近づき忙しくなっていたが、就職に関しては医学院の教師をしていることで卒業予定の学生は直ぐに決まった。 卒業式の最後にマリオンいやリエルからの言葉を送った。 「皆様御卒業おめでとうございます。 初めて尽くしの二年間で御座いましたね。 此処から先も皆様は初めての事ばかりが待っていると思いますが、挫けずに頑張って頂きたいと思います。 皆様の活躍が私には聞こえてくると信じております。」 祝福の香りを魔力に乗せながら、はなむけの言葉を送った。 卒業式も終わり、去っていく学生達を見ながらエリカの言った同世代の友達という言葉を思い返すマリオンだった。 友達同士で仲良く話したり、泣いていたりする学生の中に自分を置き換えて見たが、しっくりこなかった。 (あのように素直に感情は出せませんね。)
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