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絢人は手を伸ばして壮真のスラックスのジッパーを下ろそうとした。壮真が腰を少し離してそれに協力してくれる。苦労してフックも外し、スラックスを脱がせようとすると壮真の体が離れて行った。
壮真が素早くスラックスと靴下を脱ぎ捨て、カッターシャツを脱ぎ、腕を交差させてその下のシャツを一気に首から抜き去るところを絢人はぼおっとしながら見ていた。細いのに筋肉が透けてみえるようなその身体は絢人の理想そのものだった。
「脱がないのか?」と優しく壮真に訊かれ、しまったと思って上半身を起こそうとすると、壮真が絢人の衣服を剥ぐのを手伝ってくれた。自分の時とは打って変わって、ゆっくりとした動作だった。
でも脱がされるのはなんとなく恥ずかしくて、上半身だけ裸になった絢人は壮真の腕をとって自分はベッドの下に降りた。壮真をベッドの脇に座らせ、自分は膝立ちになって壮真のボクサーブリーフをひきずり下ろす。現れたそれはもう痛々しいほどそそり立っていた。
いきなり口に咥えこんでゆっくりと上下に動かした。それからカリのところを唇で強く挟み込み、舌で亀頭周辺を舐める。「カリのところが一番気持ち良いんだよ」と絢人に教え込んだ男は一体誰だっただろうか。記憶と快感がごっちゃになって上手く思い出せない。
舐めていると自分も気持ち良くなってくる。履いたままのズボンがきつくて腰を揺らすと壮真の手が伸びてきて、ジーンズのボタンとチャックを外してくれた。お返しにもっと気持ちよくしてやろうと喉の奥までそれを呑み込むと、生理的な涙が流れる。うっ、という壮真の微かな呻き声が聞こえた。
えずきながらもそれを繰り返していると、「もういいよ」という壮真の声がした。気持ちよくなかっただろうか。本当はフェラをされるのとか、嫌だった?
怖くなって口を外し、壮真を見上げると、壮真は目を細め、何かを堪えているかのように目を細め、切なげな顔をしていた。
やっぱり。
気持ちよかっただろ?
絢人は心の中で壮真に問いかける。絢人は男のこの表情が好きだった。それを見ると、自分が存在を許されている気がする。
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