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床にティースプーンと1つの角砂糖が転がる。
「こちら鈴城怜ちゃんだよ!汐音ちゃんの好きな副会長受けだよ!」
「汐音ちゃんの好きな美人受けだよ!」
「「お兄様がお持ち帰りしてきた!!」」
妙な紹介のされ方に困惑の隠せない怜は視線で助けを求めてくる。汐音は未だに動きがない。瞬き一つ無いので生きてるか心配になるが、段々息が荒くなってきて違う意味で心配になる。
「おおお、お、王子様!!本当に本当にっ、あぁ…眩しすぎて…えっと私、し お んと言います。煌清女学院高等部に通ってます。そんなことはどうでもよくて…うわっ肌白っ!きめ細かー…指綺麗…あっ怖がらないで大丈夫ですよ触らないんで、マナーは弁えています!安心してください!」
いきなり立ち上がり近付いてきた汐音に怜は半歩後ろに下がった。本当はもっと後ろに下がりたかったようだが両脇の双子がそれを邪魔している。
「怜さんは冷酷な副会長の方ですか?猫被っている副会長の方ですか?お兄様には素を見せているような感じですか?やっぱり素の自分を見抜かれたいと心の中では思っているんですか?惚れやすいですか?難攻不落ですか?お兄様とはどういったご関係で?紅茶は好きですか?」
「あ、紅茶は好きです」
答えなくて良いと手の甲で怜の頭をコツンと軽く叩くと怜より先に汐音が叫んで反応を見せた。
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