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「じゃあ俺ら部屋に行」
「「怜ちゃん一緒に本読も!!」」
怜を掴もうとした俺の手は見事に空振り、双子が怜をリビングのソファーまで強引に引っ張って連れて行く。
「……あいつら」
「……冷酷って感じじゃなさそう……猫被ってる方?んー……困った顔も良い!!あ、お兄様っ。怜さんは私へのクリスマスプレゼント?赤いリボンは?」
「は?………違うに決まってるだろ」
表情がいかにも真剣だったので実の妹に引いた。あからさまなガッカリ具合はどうしたらいいのか。数ヶ月遠ざかっていた間に妹の扱い方を忘れてしまっているようだ。
「でも本当に綺麗な童話に出て来そうな程王子様だね!!中性的っていうか、気安く触れられないような雰囲気?なのにどこか煽情的!越えちゃいけないのに越えさせたくなる一線!! うわっ伏し目頂きました!!副会長が目の前に…私の生きる糧が…美人受けが…家に…お兄様……ありがとう。美味しくいただきます」
「…お前年々酷くなってんぞ?」
進化です!という即答は確実に本来の高1女子から退化していることを決定させた。
「あれだね。お兄様、あの手の美人は苦手部類じゃなかったの?何があったの?付き合ってなくても家に連れてくる辺り、かなりがっついてるじゃん」
「苦手部類か…」
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