セクハラ

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「み、見ないでくださいっ」 「…何んだそれ」 可愛すぎるだろ。という言葉は飲み込んで毒でまみれた唇を奪おうとした瞬間、驚く程普通に扉が開いた。 あぁ、そっか鍵なんか掛けて無かったな。そう言えば。 「…えっと…勝手に絆創膏使ったけど良かったか?」 「…え……っ絆創膏!?何に!?絆創膏!?えっ!?」 「…怜が指ちょっと切ったんで」 「あ、ああ、なる程!消毒した!?消毒!!よりもジャージ!!じゃなくて消毒!鈴城くん!!あっ絆創膏は全然いくらでも使ってくれても構わないよ!!」 如月先生のテンパり具合は異常だった。普段の落ち着いた先生はどこに消えたのだろうか。まぁこの状況だったら仕方ないか…免疫無さそうだしな。 「…如月先生。ここ11時まで使っても良いか?」 「あ、はいっどうぞ!!ご自由にどうぞ!!えっとえっと、ボクのカードで鍵掛けときますっ!えっと、あ、ありがとうございました!!」 逃げるように出て行ってしまった。 「すげぇ慌ててたな。日本語間違ってたし」 笑って怜に話し掛けると、さっきより真っ赤で泣きそうになりながら堪えている怜に魅せられた。 「……もう最悪です。ばか…」 震えるか細い声を発すると同時に怜は自分の腕で顔を隠してしまった。 「ごめん、ごめんな?恥ずかしかったよな?」 さいあくです。と繰り返す怜の唇に人差し指を乗っける。 「大丈夫。もう邪魔は来ねぇよ」 「…さいあくです」 指が熱い舌に触れた。 -fin-
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