看病

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「……渚」 「ん?」 「何ですか?この体勢は」 「抱き枕」 足蹴りを食らわし、素早く渚のベッドから降りる。 熱が出たから看病しろとのメールが来て、断りを入れようとした所「会長命令」のたった一言で今、渚の寝室にいる。 確かに熱はあるらしいが、見たところ重病では無さそうだ。明日の会議はなんとか出て貰おう。 いつもより少しだけ怠そうにしてベッドに横になる渚を見下ろす。 「で?あとは何をすればいいのですか?お粥は作りましたし、水も薬もここに置いてあります。ついでに部屋の掃除もさせられました。……もう無いですね?帰ります」 「待て」 掠れ気味の普段より色香を纏う声にビクッと立ち止まってしまった。嫌々振り向けば手招きをする渚。 「……なんですか?」 呼ばれたままにベッドに足を進めてしまうのは副会長の性なのか? 「添い寝」 「熱で思考がおかしくなってしまったのですか?あぁ、元々おかしいのでしたね。変なこと言ってしまい、すみませんでした。では」
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