第1話

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 ――何があっても、 守ります。 「もう、 無効かな……」  あれは、 子ども騙しの約束だったのかもしれない。 少なくとも彼にとっては。  不意に視界が暗くなり、 気がつくと引き寄せられていた。 「いいえ。 私がこの世に存在する限り、 何があっても、 あなたを守ります」  耳元に落とされた言葉に息を呑んで。  思考がまとまる前に告げられた。 「でも、今日は駄目です。 馬もかわいそうですし。 さあ、お茶を飲みましょう」  すっかり機嫌を直した様子で、 カップを手渡してくる。 珍しく笑みまで浮かべて。  全く、  調子が狂う。  徹底的に宥めるつもりだったのに。  結局のところ、  こうして、  彼が満足してくれるのならば、  雨でも快晴でもどちらでも良いのだ。  本当は。
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