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――何があっても、
守ります。
「もう、
無効かな……」
あれは、
子ども騙しの約束だったのかもしれない。
少なくとも彼にとっては。
不意に視界が暗くなり、
気がつくと引き寄せられていた。
「いいえ。
私がこの世に存在する限り、
何があっても、
あなたを守ります」
耳元に落とされた言葉に息を呑んで。
思考がまとまる前に告げられた。
「でも、今日は駄目です。
馬もかわいそうですし。
さあ、お茶を飲みましょう」
すっかり機嫌を直した様子で、
カップを手渡してくる。
珍しく笑みまで浮かべて。
全く、
調子が狂う。
徹底的に宥めるつもりだったのに。
結局のところ、
こうして、
彼が満足してくれるのならば、
雨でも快晴でもどちらでも良いのだ。
本当は。
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