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いつもながら、主の運のなさというか
間の悪さに
溜息が漏れる。
どうしてよりによってこの日に、
足を捻挫したりするのだろうか。
ミラルダ夫人が主催する
年に一度の舞踏会。
何ヶ月も前から社交界はその話題で持ちきりだった。
尤も主は全く与り知らぬところだとは思うが。
「骨が折れていなかったのが、
不幸中の幸いですね」
「医者と同じこと言う」
失言だったと気がついたがもう遅い。
骨が折れようが折れまいが、
痛みと共にベッドの中に押し込められている事実に
変わりはない。
それでも幾分、顔色が戻ってきている。
処方された鎮痛剤が聞いているのだろう。
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