第2話 確認

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 この日のために 自ら細かい指示を出し、 時間をかけて誂えた衣装は 想像以上の出来栄えで、 初めてそれを身につけた主の姿を見た瞬間、 思わず息を呑んだ。 今は上着を脱いで白いシルクのシャツだけだが、 それはそれで 黒い瞳とビロードのような黒髪を 引き立たせていた。 「私が、どうして今まで その手の誘いを断っていたか 知っていますか?」  未だに私が家を捨てたことに 納得していない人々が送りつけて来る招待状。  私が一度もそれらに応じていないことは、 彼も知っているはずだ。 「意味がないからですよ。 一人で行ってもつまらないだけです」  主が参加するならば話は別だ。
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