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ドラゴロア。某日。
ドラゴンである俺は、背中に魔女を乗せて飛んでいた。
この魔女は俺が生まれた頃からの付き合いだ。生まれた頃からの付き合いなのだが......見た目は完全に子供だ。
さきほど、俺は飛んでいたと言ったが、今飛んでいる場所は全くもって普通ではない。
透き通る青空でもなければ、星が散らばる夜空でもない。
気の様なものが辺り一面に螺旋に渦巻く......そんな場所だ。
ここは次元道と呼ばれる場所だ。
場所と場所とを繋ぐこの道は、異世界と異世界をも繋ぐことが可能だ。
「ふむ。これなら問題なく逃げれるな」
背中に乗る魔女が見た目相応の声で言った。
声だけなら本当に子供と見間違えな......と常々思う。言ったらしばかれるだろうがな。
「ああ......一時はどうなるかと思ったがな......」
俺は一息ついて、魔女を見た。
「だな」と魔女は苦笑いし、俺もそれにつられた。
「辿り着いたら、一旦身を隠し............ん?何だ?」
何かの異変を察知したのか、魔女は急に声音を変えた。
俺もすぐに察知したが、ふいに物凄い力に引っ張られる感覚を覚えた。竜の俺をいとも容易く引きずり込む、圧倒的な力だ。
何なのだ、これは!?くそ!!
「何だ、この力は!?」
「むー......何らかの事故......か?」
「おい、どうするのだ!俺の力でも抗えんぞ!」
「ヤバイな、これは......」
重力のような強い力は更にその強さを時間経過とともに増した。
駄目だ、このままでは......!
「ぬおおぉぉぉぉっ!?」
「後は流れに身を任せる、だな......」
俺たちは予想外の出来事にただただ振り回されるしかなかった。
そして、俺たちが辿り着く先は......
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