出会い

6/11
前へ
/41ページ
次へ
働きだしてすぐに独り暮らしを始めた。 最初はボロいアパートだったけど、 24歳になったとき 同じ会社の先輩と付き合うようになってから このマンションに引っ越した。 OLのお給料では少し痛いお家賃だけれど、 綺麗だしセキュリティもしっかりしている。 会社から近いこのマンションに彼はよく泊まりにきた。 だからこの部屋には 幸せだった思い出がいっぱいある… 302号室のドアの前で ドアハンドルを握ったまま動かなくなったわたしを、後ろから心配そうに覗きこむのは幽霊男。 「千里?」 その声にハッとして慌ててドアを開ける。 この部屋に男の人を入れるのは2度目だった。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加