第1話

2/19
42人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
学校の最寄り駅のすぐそばにあるコンビニ。 私はそこで紙パックのいちごみるくを買うのが日課だった。 いちごみるくはもちろん好きだけど、 「マサキ、早くしろよー」 彼の姿を一目見たかったから。 マサキ、 同じ駅を使う高校の生徒だっていうことと、名前、 あとはいつもレモンティーの紙パックを買っていることしか知らない。 入学してすぐに彼に一目惚れをした。 最初は偶然だったけど。 そのうちに意識して同じ時間に同じいちごみるくを手に取るようになった。 その時に少しだけ、その横顔を見る。 結局三年間紙パックのいちごみるくを買い続けたけれど、それ以上の収穫はないままに私は夢愛学園を卒業してしまった。 大学に入学してからはオリエンテーションや基礎ゼミ、カリキュラムの作成、意外とやることが多くて忙殺された。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!