第1話

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「あー……、なんか疲れたな。 甘いもの、飲みたい」 久しぶりにいちごみるく、飲みたいな。 時間を見るとまだ一限が始まるまでにはかなり余裕がある。 大学に入ってから使うことのなかった反対方面のホームに降りて懐かしいあの駅に向かった。 ちょうど登校時間の駅はエンジ色のチェックスカートで溢れていた。 ついこの間までは自分も着ていたのにすごく懐かしい。 随分長い時間たったみたい。 信号をわたり、耳に慣れた来店のメロディーを聞く。 目をつぶっていてもたどり着けるだろう店の奥にある紙パックのコーナーに向かった。 棚の奥に見えた人影に思わず息を呑む。 「嘘……」 ぽろりとつぶやきが洩れた。
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