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予想外の相手に、私の鼓動がドクンと一気に跳ね上がる。 うそ……。 どうして寄りによって、相手が伊波君なの。 「なぁ倉町。俺ごとでスゲー悪いんだけどさ、早くどいてくれないか?」 「えっ……?」 伊波君に指摘されて、私はハッと我を取り戻す。 気がつけば、伊波君の下半身に乗ってしまっていた。 顔が真っ赤になってしまう。 恥ずかしいっ……! 私ったら、これじゃ伊波君を襲ってる変態じゃない! 「ごっ、ごめんなさい!」 慌てて伊波君から離れ、恥ずかしさのあまり背中を向けてしまう。 階段から落ちそうになったところを受け止めてくれたのに、恥ずかしくて顔が見れない。 ……心臓がバクバクしてる。 呼吸が乱れて、顔の頬っぺたがとても熱い。 どうしていつもこうなのかな。 あのときも──痴漢から助けてもらったのに、お礼の一言も伝えられなくて伊波君の前から逃げてしまった。 私って、弱虫。 今回もまた、同じことを繰り返してる……。
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