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伊波君の思いもよらない言葉に、私の顔はさらに真っ赤になっていた。
身体があつい。
これ以上見つめられたら私、変になっちゃう……。
「倉町、どうかした?」
「……ごめんなさいっ!」
瞬間。
私はカバンを手に持って、伊波君の前から逃げ出してしまった。
ああ……またあのときと同じ。
結局、私は同じことを繰り返してしまったのだ。
*─*─*
最低。
私ってホント、最低。
すっかり夕焼けに染まった街並みを一人とぼとぼ歩いていた。
せっかく助けてもらったのに。
伊波君と話せる機会がやってきたのに。
私はなにもかも、自分の手で台無しにしてしまった。
「……うっ……ぅ……うぅ」
悔しくて申し訳なくて、自然と涙がこぼれてしまう。
『──自信持たなきゃダメよ、凛』
ごめんね、結菜。
やっぱり私、弱虫だったよ。
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