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──真っ白な世界。 目を覚ますと、私の視界には見たことのない光景が広がっていた。 まるで一面、雪に覆われているみたいな、すごく綺麗な空間だった。 ここはどこ? 私は一体、どうなって…… 「はじめまして、倉町凛音さん」 「!?」 どこからか私の名前を呼ぶ、細くも大人びた声が聞こえた。 「だ、誰……?」 振り返る。 そこには──銀髪の長い髪と白い着物を身に纏う美しい女性が立っていた。 「……っ」 思わず一歩下がる私。 美しい女性は、私を怖がらせない感じに優しい笑顔を向けて口を開いた。 「怖がらないで。大丈夫、わたしは貴女の味方です」 「わ、私の味方? 」 「ええ。わたしは、貴女が大切に持っている縁結びのお守りに宿る神様です」 「か、神……様?」 思いがけない言葉に、私はハッとして縁結びのお守りを取り出す。 う、嘘……。 私の目の前にいるこの女性が、お母さんの言っていた縁結びのお守りに宿る神様なの?
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