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「わたしの言葉が信じられないのは当然でしょう。それでも今は、疑わずに信じてください」
女性の表情は本当に優しくて、私の心を包み込むようだった。
神様。
私の目の前に神様が現れるなんてやっぱり信じられない。
信じられないけれど──嘘をついている感じがしないとも思った。
だから私は、
「わ、わかりました。あなたの言う通り、信じます」
と言った。
「ありがとう」
女性──いや、神様は安心したように一歩近付く。
でもちょっと待って。
神様が私に姿を見せたってことは、つまり────
「あ、あの……ひとつだけ、ひとつだけ聞いてもいいですか?」
「どうぞ」
「私は……やっぱり死んでしまったのでしょうか?」
声が、両手が、震える。
聞きたくない。
聞きたくないけれど、受け止めなきゃいけない現実は必ずある。
それを私は、幼い頃に経験していた。
妙な感覚に身体が支配され、息を飲み神様を見守っていると、
「御察しの通り──貴女は、車に轢かれて亡くなってしまいました」
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