107人が本棚に入れています
本棚に追加
「さあて、こっからはワスの仕事だぎゃ」
金田市は肩をぐるぐる回す。
「捜査を始めるっぺ。まず、倒れた時に室内にいた人間を集めてケロ。あとは現場保存」
「そう言うんは警察の仕事ちゃうん?」
張り切っている金田市に千聖はそう言ってから『なあ…?』と慎之助を見上げる。
「な~にをのんきなことを言ってるっぺ!事件はここ、絆愛の敷地内で起きてるだ!警察の手なんか借りねえっぺ!!そうだべ、会長」
金田市の迫力に、千聖は思わず慎之助の背後に隠れる。
華月会長はしばらく考えてから
「確かに、今回は外部が関係しているとは考えにくい」
「だっぺ!となれば、ロンドン帰りの帰国子女のワスが解決するしかないっぺ!」
金田市のあまりのど迫力に、会長も圧されて『じ、じゃあ…』と言うしかない。
飛び跳ねるように喜び中へと入っていく金田市の背中を見ながら、葉隠が『いいんですか?』と会長に訊ねる。
「まあ、いいんじゃない?彼はいくつか事件を解決してるし」
「ろくな事件じゃないですけどね…」
最初のコメントを投稿しよう!