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「それじゃあ、完封摩擦を終え、唐辛子を擦り込み…それから?」
「厠に……トイレに入って…すぐに出てきたと思ったら……血を…」
花園はその場で見た場景があまりに衝撃的だったのか、話しながら顔を青ざめさせる。
「その時だって、特に何にも変わったことなかった気がするが……なあ、ミィ」
「メグミン…俺は異様な校長の声が……校長のあの時の声が…思い出したら耳から離れない…」
耳を塞ぎ震える花園を『大丈夫だから』と白鳥が肩を抱く。
「校長がそう簡単にどうにかなるわけないだろ?それに、生徒会のみんなもいる」
「だけど、俺達はよろず委員長に疑われてる!特に、スペアの保管場所の鍵は俺しか…きっと俺が一番疑われてるんだ。俺が一番…」
だんだん声が小さくなる花園を支え、白鳥は慎之助を見る。
「藍原……ミィは見た目同様…繊細な飴細工のようにピュアなハートの持ち主なんだ」
(繊細な飴細工のピュアなハートな見た目?ドングリ飴かリンゴ飴の間違いなんじゃないのか…)
丸くコロコロしたドングリ飴と、赤く光輝くどっぷりしたリンゴ飴を頭に浮かべ、『俺はニッキの飴が食いたいな』と葉隠は表情には出さず涼しい顔で内心ほくそ笑む。
「今回のこと、ミィにはかなりの負担になってる。だけど、絶対ミィも俺も……そして今回疑われてる全員は、絶対無実だ。それだけは忘れないでくれ」
『頼むっ』と頭を下げる白鳥に『わかっている』と慎之助は肩を叩く。
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