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木肌の美しい廊下の先には、20畳…いや、30畳はあると思われる大空間のリビングルーム。
真っ白な壁に、優しい木の温もりが感じられるメープル色のフローリング。ウォルナットの木目調が高級感漂う、壁と一体化された収納インテリア。
すっきりとした透明感と上質さのある、扉にカラーガラスを使ったフルフラットの広々とした対面キッチン。
「凄い…素敵なお家ですね」
リビングに一歩足を踏み入れたまま、目を見開いてその場で立ち止まる私。
部屋全体にみずみずしい木の息吹が感じられるナチュラルな素材。
温かさに包まれた深みあるその上質さにため息が零れた。
「この辺に適当に座って」
お姉さんは、モカ色のカバーが掛けられたL字型のソファーに座り、私に向かって手招きをする。
高級感溢れる空間に高級感溢れる美女。
なんて絵になる光景なんだ。
―――私、ここに足を踏み入れて良いんかい?
「なに遠慮してるの?美味しい紅茶入れるから、早く座ってよ~」
お姉さんは満面の笑みを放ち、待ちきれないとばかりにソファーをポンポンと叩いて急かす。
「…すみません。お言葉に甘え、失礼します」
予期せぬ状況に尻込みする私は、しおらしくぺこりと頭を下げて、遠慮がちに間隔をあけてお姉さんの隣に座った。
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