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辿り着いた結論に対し、ありえないと否定する。
魔力抵抗抜群の建物丸ごとに魔術をかける――例えるなら、手榴弾の炸裂をしゃぼん玉で包もうとするようなものだ。魔術の常識を外れている。
とりあえず、これ以上考えても埒が明かないということを、ギルバートは理解した。
「面倒臭え。てめえを半殺しにして訊いた方が早いな」
「そうか」
次の瞬間、ユティスが超人的な速度で踏み込んできた。壁を崩した斬撃を放つ。
当然受ければ致命傷だが、ギルバートも歴戦の軍人に違いない。手にはもう得物を構えている。
壁に立てかけていた、三日月形の斧部を持つハルバード。使い手に似合わず、芸術性を備えた洗練されたデザインが美しい。
剣とハルバードが激しくぶつかり、火花を散らした。
重い。ギルバートは率直に感じた。
魔術で肉体を強化しているのか、ユティスの細身な体躯からは想像しがたい一撃だ。
「ガキのくせに、やるじゃねえの」
「その戦斧、喪失の秘術か」
「へえ、目も利くのか。ますます何者か気になるぜ」
練った魔力をハルバードに流す。ギルバートの筋力ではなく、あくまでハルバード自体が発する力が増し、剣を押し返していく。
ギルバートは剣をへし折るつもりだったが、ユティスが軽く飛び退く。それで威力は殺されてしまった。
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