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「真田が、嘘ついてるとか、思えないもん……」
「まあね、菜月にとってはそうだろうけど」
芹香はきれいな眉と眉の間に、軽く皺を作ってあたしの顔を覗き込む。
「だけど、
このままだったら菜月は
2番目だよ。
いいの、そのままで」
「え……」
“2番目”。
その言葉で、心臓が嫌な感じにヒヤリとする。
芹香の強い瞳は、しっかりあたしを見据えていた。
「で、でも、真田はあたしのこと、好きだって……」
「菜月を引き留めておくために、言ってるのかも知れないじゃない」
「そんなこと……」
真田はそんな卑怯なことしないよ──そう言いたいのに、言葉が出てこない。
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