第1話

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「スセリ君。」 俺がどうするか悩んでいると、後ろから落ち着いた声が聞こえた。 「………何?」 「よかったら…これ、使ってよ。朝、私が着てきたパーカーなんだけどさ。」 「なっ!?」 副ルーム長のコノハ=サクヤが俺にパーカーを渡してくる。 それを見たウズメが俺の驚いた声をあげて、俺を憎々しい目で見てくる。 こいつは、コノハを気に入ってるな。 「いや、悪いし…俺今汚いから」 一応気ぃ使ってみる。 「全然大丈夫だよ!!そんな格好してたら風邪もひいちゃうし……ね?」 ここで断ったら流石に失礼ってものか……。 「じゃあ…お言葉に甘えて………ありがとう」 俺はコノハの頭を撫でて、教室を後にした どういうわけか、そのパーカーを受け取った瞬間から、胸の奥がチクリチクリと痛む
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