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季節は冬
四国四県に入っているという事もあってか、ここ徳島県では、雪は降っても、さほど積もる様なこともない。
県西部に至っては、雪もよく降り、市街地とでは積雪量も雲泥の差がある。
何年か前に大雪が降った市内では、車は大渋滞を起こした事もあった。
それだけ、雪に対する備えが充分ではないのだろう。
そういう私も例外じゃないけど。
今年も大雪の日があって、積もったりもしたけど、たいした事はなかった。
でも、毎年冬を迎える度に、去年の冬より寒く感じてしまう。
……寒さに弱い阿波っ子の私なんだけどね……
「今日もさっぶー」
「よー、おはよう小泉」
「おはようございます!あれ、今日、早いじゃないですかぁ?」
「まあなぁ、俺、今日午前中だけなんよ」
車から降りた私に、
声を掛けてきたのは、同じ職場の医師である、倉田先生だった。
私は、ここの病院の医療事務をやっている。
個人病院ということもあり、予約制だし割りと混むこともなく、結構スムーズに仕事もできていた。
とても、恵まれていると思う。
もう3年くらい勤めている。
うわ!どうりで最近、お肌の張りが……考えるのやーめたっ!
「……小泉、なにブツブツいよん?キモいぞぅ」
「ハハ、声に出てましたー?」
そんな事を言いながら、駐車場から病院の中へと倉田先生と向かった。
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