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……途中、倉田先生と会い、
「お疲れさん、お先ー!」
「「お疲れさまです」」
倉田先生とスレ違い様に挨拶を交わして休憩室に行く途中、琴子先輩が話を振ってきた。
「なぁなぁ、小泉って…気づいとん?」
「……へっ、何をですかぁ?」
そう聞いた私に、
…ふふっと意味深に、笑いながら話しを続ける。
「ヤッパリ!小泉って…にぶそうやもん」
「だから、何がですかぁ?」
「……やめとくわ」
「えぇー!なんでですかぁ?気になるぅ」
琴子先輩は、さも可笑しそうに笑いながら休憩室に入ると、
備え付けのミニキッチンで、お茶の用意をはじめた。
私は、スッキリしないながらも、琴子先輩は絶対教える気が無さそうだったから、
それ以上の追求は諦めて、
お弁当の入ったバッグをロッカーから取り出していた。
琴子先輩は、私の分のお茶も持ってくると、ゆっくりとテーブルの上に置いてくれた。
「ありがとです」
少し、ムッとしてしまった。
「ふふっ、拗ねとぅ」
「……そんなこと…」
私の言葉を聞いた途端、笑いだした琴子先輩にまたムッとしてしまうのだった。
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