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「小泉、カレシ…作らんの?」
「…ゲホッ」
急にそんなん言われて、
玉子焼きが気管に入りかけた……せこう。
「ちょっと汚ないなぁ!」
「イヤイヤ、琴子先輩が急にそんなん…いうからですよ!」
「はは、でも喉詰まらせんでもいいでぇ」
「笑わんでも」
私は少しだけムッとして、
先輩に冷たい視線を送った。
「今度は、怒っとうし」
ーーでも、
視線なんかお構い無しって感じでケラケラと笑っている。
「……もういいですよ」
「まぁまぁ、怒らんときって…」
なんか、こういう時の琴子先輩ってイジワルな…気ぃするんやけど……。
「これ、もーらいっ」
「ああー。それ最後に食べるつもりやったのにー!」
腹のたった私は、
琴子先輩のお弁当箱から唐揚げを拝借したのだった。
……先輩の大好物の。
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