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「……ん?小泉、知り合いなん?」
「……まぁ」
それしか、言えなかった。
「ほな、小泉、お願いなぁ」
「あ、ちょっ…」
琴子先輩は、奥に行ってしまったため…
……仕方なく
私は、仕事モードの口調で対応を始めたのだった。
「こ、こちらに、記入をお願いします…」
「あぁ、えと、俺と違うんよ。
もうすぐ来るけん…」
「…そうですか…」
「同僚、なんやけどな」
「解りました。お掛けになってて下さい…」
「あぁ、うん」
ゆっくり椅子に座るのを、どうしても見てしまう。
髪型は少し変わってるけど、
優しい表情は変わってはいなかった……。
学生の頃、付き合ってた人。
忘れたくても忘れる事なんて出来なかった。
……初めて
身も心も…捧げた人
私の全てを捧げた人。
"大事な存在"だったから……。
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