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しばらく片付けをして、さてご飯の用意をしようと思ったところで、風呂から喜多嶋社長が出てきた。
喜多嶋「なんだ、機嫌がいいな。鼻歌が風呂場にも聞こえてきてたぞ」
岡野「へ?」
言われて初めて、自分が鼻歌を歌っていたことに気づいた。
岡野(まずい……僕……)
「もー、喜多嶋社長、髪も拭いてないじゃないですか。ちゃんとしてきてください」
動揺を隠すように、また風呂場へと社長を戻す。
その間も、なぜか胸はドキドキしていた……。
岡野(僕……喜多嶋社長が僕だけに、だらしないところ見せるのに……優越感感じてる……)
思わぬ気付きに、おたまを持ったまま、カーッと頬が熱くなるのを感じる。
岡野(おかしい……のかな?でも、尊敬する人だから、そうなるのかも……)
鼓動が収まらないことの言い訳をするように、僕は吐息をついた。
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