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プロローグ
岡野「んっ」
僕は声が出ないようにと、必死に耐えた。
なのに、その我慢を解くように、耳元に熱く囁きこまれてしまう。
喜多嶋「声、抑えるなよ。俺は、もっと聞きたい」
岡野「だ……って」
ひくっと腰が跳ねる。
足の間を彰さんの指先が滑っていく。
もうすっかり慣らされた体は、その後にくる甘美なまでの衝撃を知っていて、疼いた。
喜多嶋「どうされたい?」
意地悪な問いかけに、僕は抗議の意味を込めて、彰さんの腕にしがみつく。
岡野「知ってるくせに」
喜多嶋「お前の口から聞きたいんだ。ヒロ……」
掠れた声に、甘えが混じる。
岡野(いつも俺様なくせに、こんなときだけ卑怯だよ)
でも、睨みつけることもできずに、僕は従うしかないのだ。
岡野「お願い……です。早く……来て……」
羞恥に耐えて言うと、彰さんは心得たとばかりに、僕の足を大きく持ち上げた。
岡野(初めて会社で出会った時は、まさかこんなことになるなんて、思ってもなかったのに……)
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