46125人が本棚に入れています
本棚に追加
「自覚?どういうこと?」
「僕の『異端』は少々特殊でして。生まれた時から目覚めてはいるのですが他の『異端』に会うまで気付かないのです」
「?」
「ニーナさんにはまだ早い話でしたね。忘れてください」
「え……あ!それわたしがバカだってこと!?」
「そういうことにしておきましょう」
食えない笑みを浮かべるテスター。ニーナはまた苛立ってそっぽを向いた。
「そんなに邪険に扱わないでくださいよぉ」
「自分の行いでも反省したら?」
「謝りますから。ほら、僕が向こうで集めた面白そうな噂とか話しますよ?こう見えてそういうものを集めるのは得意なんです」
場を盛り上げる為かテスターがそんなことを言う。困ってそうな声だが困ってそうな顔ではない。
ニーナも普段ならそういう噂話に興味はないのだが、今はふとある人物を思い出した。
「じゃあリース・B・イーグルって女の子のことで何かある?」
ニーナにとってそれは軽い気持ちで聞いたものだった。どんな武勇伝が飛び出すのか少し期待して。
「ああ、あの悪女の話ですか」
最初のコメントを投稿しよう!