銃王姫と二丁拳銃

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「自覚?どういうこと?」 「僕の『異端』は少々特殊でして。生まれた時から目覚めてはいるのですが他の『異端』に会うまで気付かないのです」 「?」 「ニーナさんにはまだ早い話でしたね。忘れてください」 「え……あ!それわたしがバカだってこと!?」 「そういうことにしておきましょう」 食えない笑みを浮かべるテスター。ニーナはまた苛立ってそっぽを向いた。 「そんなに邪険に扱わないでくださいよぉ」 「自分の行いでも反省したら?」 「謝りますから。ほら、僕が向こうで集めた面白そうな噂とか話しますよ?こう見えてそういうものを集めるのは得意なんです」 場を盛り上げる為かテスターがそんなことを言う。困ってそうな声だが困ってそうな顔ではない。 ニーナも普段ならそういう噂話に興味はないのだが、今はふとある人物を思い出した。 「じゃあリース・B・イーグルって女の子のことで何かある?」 ニーナにとってそれは軽い気持ちで聞いたものだった。どんな武勇伝が飛び出すのか少し期待して。 「ああ、あの悪女の話ですか」
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