誇れ、雷鳥

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「色々言いたいこともあるだろう。色々聞きたいこともあるだろう。だが、まずはオレの願望を聞いて欲しい」 誰も何も言わない。次のライの言葉を待った。 「オレと協力してくれ。レジスタンスに寝返り、王国軍を倒して欲しい」 これには奴隷達もざわめいた。寝返るというのに驚いているのが半分。そして、頼まれていることに驚いているのが半分である。 「………いくつか質問いいか?」 奴隷を代表してドグが前に出た。 「お前はレジスタンスから送り込まれて潜り込んだスパイってことか?」 「半分違うな。スパイは事実だが送り込まれたわけじゃない。オレが自分から来た」 「何故?」 「当然、内部から引っ掻き回す為だ。王国軍のことだから大量の奴隷が来ることは分かっていた。潜り込むのは簡単だったな」 つまりライは元々奴隷でも何でもない。ルゥはその事実を聞いて戦慄する。 一般人にも関わらず、奴隷でも弱音を吐くような仕打ちに平然と耐えていたことに。 それだけではない。ライは他人の分まで何回も背負っていた。信じられない精神力だ。
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