誇れ、雷鳥

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「だからさっきも、下手に死にたくねぇから前線に出て帰ろうとした。でもな」 ライの視線がルゥに向く。 「見ちまったからな。人が変わるところを。勇気が無く、根性が無い。そんな典型的な奴隷が、お前やフゥを助けるところを見て、目が覚めたよ」 ライは今度は全体を見た。そしてここに居る奴隷達に聞こえるように声を張る。 「お前らは反抗する意志が無いわけじゃない!無かったのは『きっかけ』だ!地に堕とされ尊厳を踏みにじられても!胸に秘めた小さな勇気を何処かに持っている!」 「「「……………」」」 「そんな奴らとならば、オレは一緒に戦える!そんな奴らと、オレは一緒に戦いたいと思った!それが一番でけぇ理由だ!」 辺りが静まりかえる。ライは視線をドグに戻した。 「……最後に、一つだけ聞きたい」 「何でも」 「オレ達『奴隷』が寝返れば、勝てるんだな?」 ライはそれを鼻で笑う。 「無理だ」 「なっ!」
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