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「はい、お願いします」
ニーナは再び狙撃銃を担いだ。
「『銃王姫』、何をするつもりなんすか?」
「負け戦には負け戦なりの戦い方があります。それに『ライ』の狙撃は、最優先事項です」
ニーナは駆け出した。そして通信を繋ぐ。全回線。
「誰でもいい!『ライ』の場所を教えて!わたしが狙撃するから!」
負け戦は負け戦。それは受け入れる。しかし、この戦争には次がある。
ここでライを暗殺してしまえば『雷鳥一族』に絶対的な統率は無くなる。
今、ライは前線に出ている。狙撃するならこれが最大の好機。
『現在東から中央に向かって進軍中です!お気を付けて!』
「有り難う!幸運を祈ってる!」
情報を得たニーナは決意を胸に全力で走る。東から中央辺りを狙える敵が寄り付かないような安全地帯へ。
「…………は?」
無事に狙撃ポイントに辿り着いたニーナはスコープを覗いて目を点にさせた。
ライが見つからなかった訳ではない。むしろすぐ見つかったから問題なのだ。
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