誇れ、雷鳥

99/104

46126人が本棚に入れています
本棚に追加
/1704ページ
「はい、お願いします」 ニーナは再び狙撃銃を担いだ。 「『銃王姫』、何をするつもりなんすか?」 「負け戦には負け戦なりの戦い方があります。それに『ライ』の狙撃は、最優先事項です」 ニーナは駆け出した。そして通信を繋ぐ。全回線。 「誰でもいい!『ライ』の場所を教えて!わたしが狙撃するから!」 負け戦は負け戦。それは受け入れる。しかし、この戦争には次がある。 ここでライを暗殺してしまえば『雷鳥一族』に絶対的な統率は無くなる。 今、ライは前線に出ている。狙撃するならこれが最大の好機。 『現在東から中央に向かって進軍中です!お気を付けて!』 「有り難う!幸運を祈ってる!」 情報を得たニーナは決意を胸に全力で走る。東から中央辺りを狙える敵が寄り付かないような安全地帯へ。 「…………は?」 無事に狙撃ポイントに辿り着いたニーナはスコープを覗いて目を点にさせた。 ライが見つからなかった訳ではない。むしろすぐ見つかったから問題なのだ。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46126人が本棚に入れています
本棚に追加