銃王姫と二丁拳銃

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「………は?」 ニーナが呆ける。今テスターの口から出た言葉が理解出来ない。理解したくない。 「知っていて聞いたのではないのですか?てっきりそれの真偽を聞きたいのかと思いましたが」 「……どんな噂?」 ニーナは確認せざるを得なかった。 「単純に銃の実力ではなく上を懐柔して騎士長になったという噂です」 こいつは何を言っているんだ?とニーナは憤りを覚えた。 自分と唯一肩を並べられる存在。最大の理解者になり得る人間に対してなんてことを言うのかと。 「そんなわけないじゃん!」 「その根拠は?」 「お爺ちゃんが、シモンがそう言ってた!リースの銃の腕は天才的だって!」 「その件なら簡単です。リースさんがシモンさんを懐柔したんですよ」 「あり得ない。お爺ちゃんがそんなこと許すはずが―」 「魔法の力で無理矢理懐柔させられていても、ですか?」 ニーナの口が止まる。 「実力が無いとは言っていません。ただベクトルが違うと言っているだけです」
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