誇れ、雷鳥

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* 「ライ!後ろの味方が狙撃された!」 その報告を受けてライは苦虫を噛み締めたような顔になる。 「乗ってこなかった、か」 ニーナがどういう判断を下してそういう行動を取ったか理解しているライは地上に下りた。 もうニーナは退いているだろう。ライの軍全体に『狙撃』の恐怖を教え込んだ。 もう勢い良く進軍は出来ないだろう。ライは通信を繋ぐ。 「セリス、そっちはどうだ?」 『逃げられた。足が速い』 「ハルとグレイは?」 『わたしは大丈夫』 『ボスならついさっき腹パンして眠らせました』 『今はオレが担いで運んでます』 「……潮時だな」 ライはやれやれと首を振る。 「イリカ、総指揮はお前だ。幕を下ろせ」 『……………』 「イリカ?」 『……………ごめんなさい』 先に出てきたのは謝罪の言葉だった。 『わたしの指揮のせいで、皆に迷惑をかけて……』 その言葉に通信を繋いでいた全員が溜め息をついた。
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