誇れ、雷鳥

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『童よ。ヌシの指示が無ければ儂は死んでおった。嘆くことではない』 『オレも別に気にしてねぇしな。火傷はちっと痛いけど』 『ボスの無理を聞いて下さった人間に謝られることなどありませんね』 『まぁ、今回は相手がちょっと上手だっただけだしね』 『わたしが思いっきり突撃したのも責任がある』 『そうだね、謝りたいというのなら今夜あたり僕のベッドに』 『『自重しろ、変態科学者』』 狙ったのかどうか分からないがフロウが場を和ませた。 「辛いよなぁ」 最後を締めくくるのはライ。 「いくら周りがお前のせいじゃないって言っても、お前自身がそう思ってんなら辛いよなぁ」 『……………』 「でもな、これだけは覚えとけ。オレ達は勝った。だから次がある」 『………………』 「戦場の失敗は、謝罪じゃ返せない。『次』の戦場で、帳消しにしてくれよ?」 『……………あ゛い!』 若干の涙声にライはクスリと笑った。 「よし、なら終わらせてくれ」 『レジスタンス全軍に通達!追撃を中止し、勝利軍としてイセンに凱旋して下さい!』 この命令を持って戦いは終結。宣戦布告してからの初戦は歴史的大勝利で幕を閉じたのだった。
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