番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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* 「返せよ!」 「は?何だって?」 レリオット・ハイエース。六歳。魔法の使えない落ちこぼれの彼はいじめられていた。 現代社会において、魔法は生活の利便に直結している。一般の家庭であるならば小学校に上がる前から親が基本的な魔法を教えるのだ。 だから六歳とは言えど、荒削りの『肉体強化』ぐらいは使える。 子供の身体能力の差は大人に比べると少ない。魔法で大きな差が出てしまう。 レリオは身体の大きな子供に何度目か分からないが投げ飛ばされた。顔から着地する。 「がえぜ!」 「うぉ、鼻血出てやがる」 「汚ね!」 「触るなよ!弱虫菌が移る!」 相手は三人。レリオの大事な物をキャッチボールしている。 「何でこんなもんが大切なんかね」 「ばっちいしなぁ」 「やめろ!」 レリオは再び立ち向かうがどつかれてあっさりと尻餅をついてしまう。 笑い声。レリオは歯を食いしばって涙を堪えた。その時。 「こらーー!!」 高い、女の声が辺りに響いた。
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