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軽く。ひょいっと。落とし物拾うような感覚で。子供を一人持ち上げた。
「せーのっ」
「ちょ、まっ!」
「高い高ーい!」
「わああああ!!!」
桃色の彼女は子供を、上空に放り投げた。軽く五メートルは飛び、落下して手元まで戻ってきた。
「高いたか……」
「もう止めてよー!怖いよー!」
投げられた子供、半泣きである。
「じゃあ、もうこういうことしない?」
コクコクと頷く子供。桃色の彼女はそっと子供を地面に下ろした。
「よろしい!これからは仲良くね!」
「ば……」
「ば?」
首を捻る彼女だったが、子供達は口を揃えて一斉に逃げ出した。
「「化け物だー!!」」
「化け物!?」
あからさまにショックを受ける彼女。レリオはそんな彼女を何だ、こいつという目で見ていた。
「あ、君。これ、取り返しといたから」
視線に気付いた桃色の彼女は高い高いした時にくすねたであろう大事な物をレリオに渡した。
「君じゃない。レリオット・ハイエース」
「そっか。じゃあレリオ君。わたしはドロシー。ドロシー・スグリーだよ」
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