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にっこりと笑ったドロシーからぷいっと視線を逸らすレリオ。
「まだ何か用か?」
「あー、ちょっと恥ずかしいんだけど町を案内してくれない?」
「……迷子?」
「違うよ!初めて来た町だから散歩してたら何処か分かんなくなっただけ!」
世間ではそれを迷子と言う。
「案内しても良いけどお願いがある」
「いいよ、何でも言って。何でもしてあげる」
「さっきの魔法、教えてくれ」
その頼みにドロシーは困ったように頬を掻いた。
「それはちょっと、無理かな」
「何でだよ。何でもするんだろ?」
「そうなんだけど……さっきわたし魔法使ってないし」
レリオは目を見開く。ドロシーの近くまで寄ってベタベタと身体を触り始める。
「え、ちょ、何?」
「……嘘つけ。こんなプニプニの身体であんな力出るもんか」
「それはわたしの種族の『体質』の問題で、ってわひゃああ!!」
レリオがおへそ辺りを触るとドロシーはすっとんきょうな声を上げた。ちょっと距離を取る。
「お、おへそは駄目!力抜けちゃうから!」
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