番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

5/105

46126人が本棚に入れています
本棚に追加
/1704ページ
にっこりと笑ったドロシーからぷいっと視線を逸らすレリオ。 「まだ何か用か?」 「あー、ちょっと恥ずかしいんだけど町を案内してくれない?」 「……迷子?」 「違うよ!初めて来た町だから散歩してたら何処か分かんなくなっただけ!」 世間ではそれを迷子と言う。 「案内しても良いけどお願いがある」 「いいよ、何でも言って。何でもしてあげる」 「さっきの魔法、教えてくれ」 その頼みにドロシーは困ったように頬を掻いた。 「それはちょっと、無理かな」 「何でだよ。何でもするんだろ?」 「そうなんだけど……さっきわたし魔法使ってないし」 レリオは目を見開く。ドロシーの近くまで寄ってベタベタと身体を触り始める。 「え、ちょ、何?」 「……嘘つけ。こんなプニプニの身体であんな力出るもんか」 「それはわたしの種族の『体質』の問題で、ってわひゃああ!!」 レリオがおへそ辺りを触るとドロシーはすっとんきょうな声を上げた。ちょっと距離を取る。 「お、おへそは駄目!力抜けちゃうから!」
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46126人が本棚に入れています
本棚に追加