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「嘘つきめ」
「嘘じゃない!それにこの身体だって良いことばっかじゃないんだよ!魔力少ないから満足に魔法使えないし!」
「……オレは普通の人間だけど使えねぇよ」
「あ、ゴメン……」
少し悲しそうな顔になるがドロシーはすぐに持ち直した。
「要は虐められないようになればいいんだよね!ならお姉ちゃんが教えたげる!」
「何を?」
「これ!」
ドロシーは小石を適当に拾いあげるとそれを空中に放り投げた。
その間にスゥ…とドロシーは片足を上げる。そして、蹴る。
正確にコントロールされた蹴りは小石を弄び五回程空中でバウンドさせた後砕かれた。
「『サーバット』っていう格闘技なんだけどこれなら魔法使わなくても出来ると思う」
「……………」
レリオは返事が出来なかった。洗練された動きに、感動すら覚えたから。
「どう、かな?」
不安そうに聞いてくるドロシーにレリオはこう返した。
「姉ちゃん、パンツ丸見えだったな」
「えぇ!?」
これが、後に『雷の異端強者』となるレリオット・ハイエースと、『桜髪の魔法使い』ドロシー・スグリーの出会いだった。
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