番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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そんな感じで始まった訓練だが。 「姉ちゃん」 「何?」 「すっげー地味だな、これ」 「うっ…」 二人がしているのは単なるストレッチと片足立ち。重要なことだが地味なのは否定出来ない。 「これで本当に強くなれんのか?」 「う、うん。信じられないかもしれないけど」 「じゃあ、やる」 「へ?」 レリオにしてはあまりに素直だったのでドロシーは呆けた顔になる。 「何だよ、顔ぐらいしっかりしてないとアホがバレるぞ」 「アホじゃないよ!どうしたの?熱でもあるの?お姉ちゃんが看病したげようか?」 「うぜぇ……」 心底げんなりした顔になるレリオ。 「別に。姉ちゃんは嘘つかねえって思ってるだけだ」 「レリオくん……!」 今度はパァとした笑顔になるドロシー。表情の変化が激しい。 「可愛い!普段もこれくらい素直だったら可愛げがあるのに!」 「やめろ、うぜぇ、近寄るな、抱き付くなぁ!」
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