番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「オレが知るわけねーだろ」 食べ終わったアイスの棒を吐き出す。ドロシーは近くにあるゴミ箱に捨てた。 レリオは柔軟を始める。その様子を見てドロシーはうんうんと頷いた。 「子供だから元から身体は柔らかいね。レリオくん素質あるよ」 「変な体質の奴に言われても嬉しくない」 「そうなんだけど。わたしだってその柔らかさになるのに一年はかかったんだよ?」 既に180度足が開くレリオをドロシーはうらやましい目で見ていた。 「とりあえず柔軟性は及第点。夏だし、明日は夏らしい訓練でもしよっか」 「夏らしい?」 「水泳。ちょうど良い川あるみたいだしそこいこ」 その提案にレリオは少し黙った。 「あれ?駄目だった?親御さん心配する?」 「別に……」 レリオがチラッと身体を見たことでドロシーは全てを察した。 「レリオくんのスケベ」 ニマニマとした顔で笑うドロシーに、レリオはやはりうぜぇと返すのだった。
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