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一度芽生えた疑念は消えない。考えれば考える程ニーナは深みに嵌まる。
「あくまで噂です。信じるかどうかは個人的な問題です。まぁ、火の無いところには煙は立ちませんがね」
テスターは伝票を持ちレジまで持っていく。ニーナのコーヒーはとっくに冷めていた。
それ以降の会話をニーナはよく覚えていない。
テスターが適当に話して、それを上の空で返事をして、いつの間にか政府に引き渡す時間が来てしまった。
「それではまた。お会いすることがあれば」
テスターは紳士的にそう言い残した。ニーナの今日の任務は完了である。
しかし、ニーナは家に帰る気にはなれなかった。家に帰ればリースが居るかもしれない。
今、ニーナにはリースと面と向かって会う覚悟がなかった。
頭の中がぐちゃぐちゃになったような感覚の中、フラフラと歩く。もしこの時襲われたら危なかったかもしれない。
そんな足取りでニーナが向かったのは、馴染みの武器屋だった。
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