番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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* 「ようやく見つけたぜ……」 夏も終わりに近付く頃、バイクに跨がったカーシーはレリオを見てそう呟いた。 川の一件があって以降、カーシーは何かとレリオに絡んできた。 始めはドロシーに近付く為かと思っていたが、ドロシーが用事で不在でレリオが一人でトレーニングしている時も来て色々話してくる。 それはあの通りはナンパが良く成功するだの、新しく出来たパスタ屋が安くて旨いだの、偶々ドロシーに会った時におっぱいに触ろうとしたらバックブリーカーかけられただの、他愛の無いこと。 レリオはそれをアホらしいと思っていたが、同時にそれがカーシーなのだと理解していた。 思ったことをそのまま言う。そこに躊躇は無い。勿論、理性や線引きはあるが。 ありのままの自分をさらけ出すことは普通ならば恐怖だ。嫌われたくない。上手く世の中を渡りたい。そんな思いがあるから。 しかし、カーシーは見せる。小さい器を余すことなくさらけ出す。
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