46126人が本棚に入れています
本棚に追加
/1704ページ
「これは……?」
「オレの、『大切だった物』だ」
カーシーが投げ付けられたのはペンダント。写真が入るロケットと呼ばれる物。
カーシーがそれを開くとそこには厳格そうな男性が小さく微笑み、優しそうな女性が笑い、二人で赤ん坊を抱いている写真が入っていた。
「少なくとも女の方は見たことあんだろ」
「ハイエースんとこ行った時に出てきた。お前の母親か?」
「正真正銘、オレはあの家のガキだ。だがオレは、レオナルドって名前じゃない」
「どういう意味だ?」
乾いた笑みを再び浮かべてレリオは続けた。
「オレのレリオットって名前の由来はレオ。つまり『獅子』からきてる。ライオンのように強い奴に育ってほしかったんだろうな」
「…………」
「こんな、魔法も使えねー出来損ないのガキじゃなくてよ」
レリオの乾いた笑みが声になって溢れだす。
「オレはあの親が笑ってるところは写真の中でしか見たことねぇ!落ちこぼれ、失敗作!そんな言葉は実の親が一番吐いて捨てたぜ!」
最初のコメントを投稿しよう!