番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「これは……?」 「オレの、『大切だった物』だ」 カーシーが投げ付けられたのはペンダント。写真が入るロケットと呼ばれる物。 カーシーがそれを開くとそこには厳格そうな男性が小さく微笑み、優しそうな女性が笑い、二人で赤ん坊を抱いている写真が入っていた。 「少なくとも女の方は見たことあんだろ」 「ハイエースんとこ行った時に出てきた。お前の母親か?」 「正真正銘、オレはあの家のガキだ。だがオレは、レオナルドって名前じゃない」 「どういう意味だ?」 乾いた笑みを再び浮かべてレリオは続けた。 「オレのレリオットって名前の由来はレオ。つまり『獅子』からきてる。ライオンのように強い奴に育ってほしかったんだろうな」 「…………」 「こんな、魔法も使えねー出来損ないのガキじゃなくてよ」 レリオの乾いた笑みが声になって溢れだす。 「オレはあの親が笑ってるところは写真の中でしか見たことねぇ!落ちこぼれ、失敗作!そんな言葉は実の親が一番吐いて捨てたぜ!」
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