番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「なら、それがお前の生きたい理由だ」 カーシーは投げ渡したヘルメットを奪い、レリオの頭に強引に被せた。 「ドリーんとこ行くぞ。乗せてってやる」 「……おう」 雨でびしょ濡れになりながらも二人はバイクの元に向かった。 「居たぁー!!!」 その時、大声が辺りに響いた。声のした方を二人が見ると少し遠くからドロシーが猛スピードで自転車を漕いでいた。桃色の頭なので分かりやすい。 「姉ちゃん……」 「丁度良かった。入れ違いにならないで済んだな」 ドロシーは止まる為に急ブレーキをかける。が、天気は大雨。勿論ブレーキなど効かずスリップする。 結果、止まれずにドロシーの自転車はカーシーのバイクに激突した。 「はああぁぁぁ!!???」 カーシーの絶叫。宙に放り出されるドロシー。しかしドロシーは流石のバランス感覚で空中で立て直し足から着地。 勢いは殺せずかなり滑っていったが倒れなかった。 「………セーフ!」 「思いっきりアウトだわ!自転車、バイクに突き刺さってんぞ!どうなってんだ、これ!」
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