番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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抑揚の無い声。感情が全く読み取れない。 リク・クガヤマ。レリオのクラスメイトである。 必要なことしか喋らず、誰かと仲良くしているところを見たことがない。 いつも一人でボーっと何かを考えている。話しかけても会話を続けようとしないし、ちょっかいをかけてもまるで意に介さない。 周りの出来事に興味が無い。好奇心が無い。ロボットのよう。ついたアダ名が『心無しリッキー』。 だからレリオは話しかけられた時、まさか相手がリクだとは思ってもみなかった。 ジーッと見詰められて居心地が悪い。かといって話しかけてくるわけでもない。 「何か用かよ」 痺れを切らしてレリオから話しかける。 「いえ、特に」 リクの返事。会話が終わりまた見詰められる。 「格闘技に興味あんのか?」 「微塵も」 「なら見詰めんじゃねー」 「私の勝手です」 「蹴飛ばしてやろうか」 「お断りします」 取り付く島もないとはこのことか。
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