番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「チッ……」 レリオは舌打ちをして練習を続けた。リクは一時も目を逸らさなかった。 * 「それでそのまま何も言わずに?」 「そーだよ」 しばらくして家に帰ったレリオはドロシーと一緒に夕飯を取っていた。今日のご飯は親子丼。 「格闘技に興味ねーって言っときながら結局最後まで居やがって。意味わかんねー」 レリオは鶏肉を噛みながら悪態をつく。まだ熱かったので少しだけ顔が歪む。 ドロシーは水をコップに入れてレリオの前に出しながら返事をする。 「多分だけど、格闘技じゃなくてレリオくんに興味があったんじゃないのかな?」 「……は?」 水を飲みながら変な声を上げるレリオ。 「多分その子変わってるけど筋が無いわけじゃないよ。ちゃんと目的があって動いてる」 「姉ちゃんの言ってることはよくわかんねー」 「世の中、カーシーくんみたいに分かりやすい人ばかりじゃないからね。ちゃんと考えてあげて。どうして、そんなことをしたのか」
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